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優秀な「後任」を育ててこそ一流のリーダー

AI時代のリーダーの原則⑦

■研磨力~リーダーになれば2倍研磨せよ

 ここでは、自分磨き。「研磨力」について述べたいと思います。

 私は学生時代、「いつまで勉強するのか?」と思っていたものですが、社会人になると、今度は毎日が学期末テストのようなものでした。

 経営者になった今も、講師としても、作家としても勉強やトレーニングを怠ると、あっという間に結果が出せなくなります。

 常に、自分を高める「研磨」を比例して行わないとなりません。

 なぜなら職位が上がれば、上がるほど、必要とされる能力はマネジメントの範囲や判断の質、そして何より責任が重くなるからです。

 例えばメンバーの頃は、誰かに仕事を教えてもらいそれを実行するレベルですが、先輩になると仕事のやり方を後輩に教えなければなりません。

 そうすると、仕事のやり方だけではなく、目的や意義も知らなければなりませんし、教え方なども覚える必要があります。

 このように上位職なればなるほど、勉強しなければならないことは増えていきます。

 そして、リーダーは知識や能力だけではなく、健康な心身も必要とされます。リーダーの代わりはいないからです。

 そうすると健康管理や運動、精神の研磨も要求されるのです。

 なのに、リーダーになると胡坐をかいて研磨をやめる人がいます。

 当然、研磨していないので、使い物にならなくなります。

 自分の状態にうぬぼれてはいけないのです。

 私も講演や研修をする際には、以前より時間を掛けて事前準備をするようにしています。

 それは部下の講師などが成長して、自身が登壇をする機会が少なくなったことで、失敗をする確率が高まっているからです。

 私たちはいつも下りエスカレーターを上っているようなものです。

 立ち止まると自然に下りていきます。

 しかもリーダーになると、その下りエスカレーターの速度は速くなるのです。

 真のリーダーは、その速度よりも速いスピードで成長を続けなくてはいけないのです。
 

 

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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  • 2018.04.19